見出し画像

【社員インタビュー】海外に届け続けるために「組み立てる」 海外事業部

今回の社員インタビューは、水産品の養殖から加工・卸売までを一気通貫で事業推進するわたしたちの垂直統合型ビジネスの中でも「物流」、具体的には日本から海外に向けた物流を担当するメンバーにスポットをあてます。

青森で養殖した青森サーモン®は国内だけでなく、海外でも大人気です。ということは、水揚げしたサーモンを海外へ運ぶ必要がありますよね。そこで物流担当の出番です。ではインタビューで聞いてみましょう。

趙 莉仁(Amanda Chao)
東京事業本部 海外事業部


「海外事業部」って何をしているチーム

ーーまずは趙さんの業務内容を教えて下さい。

わたしの所属する海外事業部は、国内・海外両方に向けて、主にサーモンやイクラをはじめとした水産品の調達・販売を担当する「東京事業本部」の中にあるチームです。なかでも海外事業部は、主に物流や経理など、いわゆるバックオフィス的な業務を行う部署です。

いま、わたしたちが海外営業拠点を構えている台湾や東南アジアでは、寿司は一般的な外食・中食(調理された食品を買って帰って食べること)となっています。日本の回転寿司チェーンもアジア各国にどんどん出店していますし、スーパーにも多くの寿司が当たり前のように並んでいます。サーモンもいくらもたくさん使われています。

こういった外食・小売事業の取引先の需要に応えるために、わたしは日本から海外卸売事業の拠点のある台湾や東南アジアに向けて、物流手配を担当しています。

※わたしたちの海外営業拠点の詳しい情報は以下リンクをご覧ください

海外へは、コンテナで運ぶ

ーーもう少し具体的にやっていることを教えてもらえますか?

主に行っている仕事は、コンテナの手配です。

ーーなるほどコンテナ(オウム返し)。

ちゃんと説明しますね(笑)。生食用のサーモンやイクラなど厳密な温度管理が必要な水産物を、しかも台湾よりも赤道に近い暑い国に、品質を保ったままそれもリーズナブル(価格に対して価値のある)に送るために、わたしたちは商品を国内で冷凍保存し、必要に応じて冷凍コンテナで送ります。

コンテナには世界共通の規格があり、サイズが決まっています。わたしたちが主に手配する冷凍コンテナのサイズは「40フィート」と呼ばれる、長さ約12メートル・幅2.5m弱・高さ2.5m強のサイズです。最大積載量(ペイロード)は25トン強になります。

この容量に合わせて、日本から
・必要な商品を
・必要なスケジュールに合わせて
・必要な海外卸売事業グループ会社に送り込む

コンテナの手配をするのがわたしの仕事です。

ーー思ってたより冷凍コンテナのサイズが大きい!ちょっとずつ分かってきました。

商品の手配は、自社製品なら例えば、青森で養殖し、加工した青森サーモン®の在庫を確認したり、青森工場で製造する魚卵加工品(いくらなど)を社内発注するところからはじまります。これは海外グループ会社側の仕事です。

ーー自社製品を、ということは、他社製品も一緒に送っているのですか?

サーモンをご注文いただく取引先から、「一緒にアレも送ってほしい」という要望があれば、主に海外グループ会社側で商品を手配してくれるサプライヤーさんを探して見積もりを取り、価格が合えばわたしたちがその商品を一緒に冷凍コンテナで送ります。
取引先からすれば、ひとつの取引先(わたしたちのこと)だけで一括発注ができて便利ですし、わたしたちもコンテナに詰める物量が多くなるほど取引が拡大します。ウィンウィンですね。

ーー水産品メーカーとして自社商品も出荷するし、頼まれれば他社商品も手配する、いわば問屋さんとして機能しているから、「卸売事業」なんですね。

そうです。必要な商品を供給してくれるサプライヤーさんや、見本市などに赴いて海外で売れそうな商品を探し、海外法人の営業さんに商品を提案するところも、わたしの仕事です。

ーーサプライヤー探し、商品探しから物流手配まで!多岐にわたる仕事なんですね。

見た目よりも忙しいんですよ(笑)

コンテナ物流手配のポイントはここ

ーーコンテナ手配をするときに大事なことはなんですか?

まずは、物量の確認です。
あれもこれも詰めようとしてもコンテナの大きさは一定なので、容量に合わせて詰める内容を決めます。そのためには、それぞれの商品の「荷姿」と呼ばれる段ボールのサイズ・重量・保存温度帯が冷凍コンテナのサイズ・温度帯に合っているかどうかの確認をします。
冷凍コンテナの中を荷物でいっぱいにしてしまったら、温度管理のための冷風が隅々まで行き渡りません。冷風の通り道を作る余裕も含めて計算するんですよ。

ーー難易度の高いテトリスみたいですね。

スピードはあそこまで早く処理する必要はないですが、まあそうですね(笑)

スケジュールはこうなっている

これらの「物理的な量」を計算する一方で、今度は「時間」も合わせる必要があります。順を追って時間をさかのぼると、

物量・スケジュールの組み立てフェーズ(趙さんデスクワーク)

1.海外グループ会社から、発注したい商品内容と納品日をヒアリング
2.集荷・荷詰めする倉庫会社 委託先確定
3.納品日に合うコンテナ船の冷凍コンテナ積載枠 日程・容量確定
4.海外グループ会社から、商品と納品数の連絡が来る 中身確定
5.各商品を2.に集荷する納品数・納品日を決める※
 ※同じ日に大量の商品が届くと困るので、2.と相談して日程を分散
6.自社内・各社へ5.で決めたとおりに発注
7.輸出にあたり必要な通関書類の準備を4-6と同時並行で行う

実際にモノが動く、物流フェーズ

8.荷詰めする倉庫会社へ自社・他社商品の納品
9.冷凍コンテナへの荷詰め・コンテナ船へ積載
10.出港(ETD)・現地入港(ETA)・入国通関
11.海外グループ会社 倉庫への納品
ゴール:海外現地取引先へ配送※・納品
 ※海外現地での配送便は基本的に自社運営です

ETA:Estimated Time of Arrival 到着予定日・時刻
ETD:Estimated Time of Departure 出発予定日・時刻

ざっくりですが、このような手順となります。

ーー並べてみると、膨大なto doですね・・・

さらに祭日などの、現地ならではのリードタイムも頭に入れています。その時期に消費が増える、ということもありますし、お正月などの大型連休になると、税関スタッフもお休みを取りますから、リードタイムがいつもより必要です。現地スタッフとの打ち合わせの中でも、商習慣や国民性の理解は重要なポイントなんです。

ーー正確に届けるために、多くの要素が頭に入っているんですね。すごい。

私は2023年4月に今の部署に異動になりました。もうすぐ2年になりますが、こうやってインタビューで話してみると、確かにたくさんのことを覚えてきたみたいです(笑)

先を見据えて仕事を「組み立てる」


ーー趙さんの仕事の起点になる1.は、いつごろから始まるのですか?

ケースバイケースですが、東南アジアの現地法人であれば、海外グループ会社のスタッフとの初回打ち合わせは、コンテナが現地の港に入港する(ETA)3ヶ月以上前です。

ーーリードタイムが長いですね・・・

1-7まで、ひとつひとつの数量と日程を、整合性をもって組み立てます。ひとつでも数量・日程が合わなければ、計画通りには納品されません。

ーー緊張感のある仕事ですね。

ただ単に、決められたモノの手配だけを行う仕事ではありません。2.にあたる、商品の一時冷凍保管から実際の荷詰め作業までをお願いする倉庫会社さんを新たに探すこともあります。より効率的に、そして委託先パートナーとより深く信頼関係を築くのも、わたしたちチームの大事な仕事です。

冷凍コンテナを海外に届け続けるには、周到な準備が必要です。その一方で、計画的に進めることができるため、自分のペースで勤務時間をある程度コントロールできるところが魅力的です。

あのグループ会社の納品先の地域では、この時期になれば物量はこれくらいといった物量の見積もりや、あの営業さんはギリギリになってから発注が来る(笑)から先手を打って早めに質問しておこう、など、各グループ会社・営業スタッフの要望やクセがわかってくれば、時間調整は上手になっていきます。

いまはこういったノウハウも含めて、同じチームのメンバーもスケジュールを組めるように教えているところです。

ーーコンテナ手配チームではリーダーなんですね。

新しいメンバーが入ってきたので、いまは教育も大事な仕事になっています。

先ほどもお伝えしたように、準備期間を長く取れる分、効率的な業務の進め方に改善できれば、ワークライフバランスをコントロールしやすくなります。
また、準備期間をしっかり取ってチェック時間を充分に取れれば、事故や間違いも減らせます。

そのためにも、日々の業務の改善はとても大切です。メンバーから今までと違う手順や方法で業務の改善を提案されることもありますが、自身でもこれまでのやり方に固執せず、いったん受け入れて試してみて、よりよい方法を見つけていこうと思っています。こういった改善を一緒に楽しんでいけるメンバーと、これからも働いていきたいです。

ちなみに、今年はコロナ禍以来はじめて、春節(旧正月)に台湾に戻ることができます。休暇中の業務が滞らないように、チームで早めに準備を進めているところです。

ーー効率的な仕事を突き詰めれば、自身の休暇だって「組み立て」られる。いい会社ですね(テレビCMっぽい笑顔)!

日本ではたらくということ

ーーこれまでのキャリアパスを聞いてもいいですか?

わたしはオカムラ食品工業に2021年8月に入社しました。前職でも営業、この会社でも営業職として採用されました。
最初の1年半は海外営業の仕事をしていました。実はつい最近まで、コンテナ手配の仕事をしながら営業の仕事も兼任していたんですよ。

ーーどの国の営業担当をしていたのですか?

私は台湾・高雄の出身で、台湾の取引先との関係性を築いていました。
営業の仕事のいいところは、売上アップという「目に見える成果」があるところです。契約が完了するとシンプルにうれしい!今の仕事とは違う成果の見え方と喜び方ができるのがいいです。

ーー日本語がとても上手ですね。

高校まで台湾で進学し、その後アメリカの大学へ入学しました。その後事情があり2年で戻り台湾の会社で働いていたところ、日本の取引先の社長に気に入られたこともあり、日本の会社に就職しました。
日本で働くうちに、やはり大学は卒業しておきたいという思いが強くなりました。会社を退職し、日本語学校に1年強通ったのち、日本の短大に入学しました。さらに4年制大学に編入し、最終的に日本で大学を卒業することができました。結果、中国語・英語・日本語が話せます。

ーー志が高いです!

一度社会人として働いてから、自らの意思で大学に再入学したことに加えて、語学の壁があったので、18歳で入学したほかの学生よりも、圧倒的に勉学に励みました。いまでもこのときの体験は、自信につながっています。

ーー当社に転職を決めた理由はどこだったのですか?

卒業後は別の会社で働いていたのですが、新たな環境を求めて転職先を探していた時に出会ったのがオカムラ食品工業です。
実はもう1社、ほぼ内定が決まっていました。その会社では、すでに関係性の強い大きな取引先の営業担当としてチームに入ってほしい、とのことでした。職務内容として語学もあまり必要なく、スキルを活かしきれるかどうか疑問もありました。一方、この会社での仕事は、母国台湾での新規開拓営業など強みも活きるし、任される業務内容の自由度が高く、挑戦できる環境だと考えて入社しました。

ーー海外出張はありますか?

営業担当は、取引先とのOEM商品開発があれば、直接製造工程の確認や試作品の試食のために海外工場に行くことがありますが、今所属している海外事業部では、ほぼ出張はありません。メールとリモートミーティングで必要な情報収集はほぼ可能です。

あまり出張には行きたくないので(笑)、この点においては、わたしには今の仕事が合っているように感じます。プライベートの時間を大事にしたいですし、出張に行くとどうしてもデスクワークが溜まってしまうことにストレスを感じてしまう性格なので・・・

働くことは大好きです。自分で働いて稼いで、自立した状態でいたいという思いは強いですね。

おわりに

海外との物流の最前線で、日本品質の水産品などを「届け続ける」趙さんの仕事は、わたしたちの会社になくてはならない存在。
来年くらいにまたインタビューしたら、もっと仕事の「組み立て」が効率的になっているかもしれませんね。

社員インタビューはまだまだ続きます。記事を読んで、わたしたちと一緒にはたらきたいと思った方、採用サイトまで是非お越しください。

この記事が参加している募集